連休も中休み?ということで
今日は一応出勤でした。
なので一日おとなしくしている
訳もなく終業後また映画を見に行きました。
見に行ったのは『ニワトリはハダシだ』という映画。
森崎東というベテラン監督の作品です。
松竹で娯楽作品を中心に作っていた人のようです。
地元の映画祭のプログラム選定の時に
候補に挙がっていたので見に行きました。
で
内容なんですが
知的障害を持つ少年が
一つの特技として持っている抜群の記憶力のせいで
とある汚職事件に関与してしまい
事件に巻き込まれてゆくのですが
一度は壊れかけていて少年の一家が団結して行くことで
事件を解決して行くという話。
ストーリーの展開もしっかりしていますし
勧善懲悪ものの娯楽作品としては秀逸なものと思います。
ただちょっと気になる部分が・・・。
主人公が知的障害を持つ子供だということ。
別の作品ですが
いわゆる虐待を受けている少年を題材にした作品がありまして
その作品について、実際に虐待されてる子供に関わっている人にしたら
あまりリアルな話ではないと、あり得ない話だと言われてしまったそうです。
その作品の主人公の少年は小学校高学年で
自らの力で虐待であったり、暴力(いじめ)を
乗り越えて行くという設定になっています。
逆境を乗り越えて行く子供(人間)の力強さを描こうとしたそうです。
しかし
実際児童虐待を受けている子供は小学校へ上がる前の子供がほとんどで
自らの力ではどうしようもできないからこそ
問題になっていると実際の現場の人は言うのです。
その映画の制作者は最後には
映画はフィクションなので多少の無理があってもいい、
自分たちが伝えたいのは別の部分(人間の力強さ)なのだ
と言っていました。
ちょっと残念なコメントでした。
実は今日見た『ニワトリはハダシだ』という作品の監督も
そうしたマイノリティを描くことに関して少し悩みがあったようです。
パンフレットに記載されていたことなんですが
監督はクランクインの直前まで
障害を持った人をネタにして作品を作っていいものかどうかと
思っていたそうなのですが
知的障害児を持つ母親の
「私は、知的障害を持って生まれた我が子を、他人の目から隠したいとは思いません。
隠すどころか、ユニークてとても面白いこの子を、是非人々に見せて廻りたい。」
という言葉に吹っ切れたそうです。
映画やお芝居というものは
フィクションではあるのですが
ある種の情報を伝達するメディアだと思います。
制作者にはそういった自負を持って
作品を作り、発信して行ってほしいと思います。
いくらフィクションだと行っても
その物語をリアルなものとしてとらえられてしまう
こともありえます。
もちろん僕らも
上映する作品を通じてメッセージを伝えるため
作品をかける意義、意図を明確にして
映画祭で上映する作品を選定してゆきたいと思っています。
そんなことを考えさせられる映画でした。
かなり個人的な事情なんですけどね。
今さらなに言ってんだって感じですが
作品としてはいや結構ふつーに面白かったんですけどね
一応フォローです。